超長期投資の振り返り:1990~2025
2025年も終わりということで本年を振り返ってみるのもいいのですが、21世紀もはや4分の1が過ぎたということで、この機会に敢えてバブル崩壊(1990年)以降という超長期での振り返りをすることにします。
まずご覧いただきたいのが下図です。何かと言うと、TradingView上で実行したあるストラテジーの超長期パフォーマンスのチャートです。なお、このストラテジーは、TOPIXがかなり下げた局面にのみエントリーし、かなり上げた局面でエグジットする「逆張り」かつ「買い専門(ショートはしない)」というものです。

アベノミクス相場の始まりとともにパフォーマンスが一変したことが一目瞭然かと思います。言い換えると、20年以上も報われなかったストラテジーが、アベノミクス以降は最強とも言うべきものになったのです。では、何故このような変化が起こったのか?身も蓋も無い言い方をしますが、一言、「地合い」です。
比較対照のため、TOPIXのチャートも載せておきます。(古い部分がデータ不足のため荒いチャートになっています。)当然ながら20年以上の長きに渡って低迷していたものが、アベノミクス以降は完全な右肩上がりに変化しました。そして、2024年に1989年の高値を奪還した後、今年また大きく続伸した形となったのです。

要するに、地合いさえよかったなら、長期投資はつべこべ考えなくても、安くなった際に買っておけば間違いありません。ましてやうまく大暴落時に仕込めたなら、これほど効率のよいことはないわけです。
いま改めて振り返ってみると、アベノミクス相場の始まりは確かに異常な盛り上がりを見せ、多くの日本人が株式投資を開始(または再開)する一大契機となりました。とは言え、まだリーマン・ショックの傷も癒えぬ時期でもあり、その波に乗ることを躊躇する向きも少なくない、というか大多数であったのが事実。要は、そこで素早く「頭の切り替え」に成功した者だけがその恩恵を受けられたのです。(逆に言えば、バブルが崩壊した後もどうしても「頭の切り替え」が出来なかった人々の命運がどんなものであったかは歴史が教えるところです。)
さて、アベノミクス以降、一体何が変わったかと言えば、やはりデフレ期からインフレ期への移行ということになります。その後2013年から2021年頃までの緩やかなインフレ期を経て、2022年頃以降は誰の目にも明らかな高インフレ期となりました。中学生にもなれば公民で、インフレとは「モノの価値が上がって、通貨の価値が下がり続けること」と習うでしょう。なので、高インフレ期になれば、その現象が更に勢いを増すなどということは一般常識の範疇にあることでしょうが、その結果が特に極端な形で現実化してしまったのが金をはじめとする貴金属価格の上昇なのです。(金はともかく銀やプラチナ等はここに来てとんでももないボラティリティーを示しており、さすがに現時点では安易に触らない方がよいとは思いますが。。。)

今やグラムあたり2万円を大きく超えてしまった金ですが、四半世紀前の2000年にはなんと900円台で買うことが出来たのです。(実際に900円台で仕込むことが出来た方と先日歓談しました。)10バガーどころか20バガーであり、インフレの威力を思い知らされます。
ともあれ、株に関しては、当面高インフレが継続する限り、超長期目線で見て「頭の切り替え」を迫られることはなさそうです。資産インフレという大きなトレンドには逆らうことなく乗って、それでいて出来る限り有利な(安い)時に仕込む「大勢順張り、小勢逆張り」を徹底していくのが王道となるでしょう。
最後に、またいつか必ず来るはずの大暴落については、二年前に北原銀二さん、また一年前にはろくすけさんと、二人の畏友が関連する良書を出版されているので、改めてご紹介しておきます。
