行雲流水

トレードには実に様々な対立軸があり、各派の間で「宗教戦争」が勃発することは全く珍しいことではありません。

・中長期か短期か?

・ファンダかテクニカルか?

・順張りか逆張りか?

・ナンピン肯定かナンピン否定か?

言うまでもなく、どの派に属しようとも自由です。ただし、ある派に所属すると自認する場合、少なくとも、対立する派を完全に否定するのは無理だということだけは認めるべきでしょう。相場は常に変化してひと時たりとも同じ状態には留まりませんし、その行く先が誰にもわからない以上、正解もまたありません。

そもそも何かを買おうとする場合には、その反対側には必ず同じものを売ろうとする相手がいます。買い手と売り手という、全く立場の異なる二者が出会う場がマーケットであり、そうした二者が揃わなければ売買は決して成立しません。言うまでもなく私自身も、買い手となったり売り手となったりして、決してどちらかに偏ることはありません。また、先に挙げた四つの対立軸における私の立場について言えば、時と場合に応じてどちらの派にも自由に行き来しているというのが事実です。

今年はまだ半分も終わっていませんが、このような短い期間で、後世まで記憶されるであろうコロナショックが発生し、またその直後にコロナバブルとも言うべき大反騰が起こるとは、誰もが想像だにしなかったことでしょう。もし私が小説家であったなら、あまりにも荒唐無稽過ぎて、とてもそんな相場小説など書けないと思うほどです。

このように何でもありで、我々の想像力を遥かに超えてしまうのが相場というものなのです。その中にあって売買をしていく相場参加者に求められるのは、少なくとも自分に理解できないものであっても頭から否定しないという態度でしょう。その上で、決して流れには逆らわないことが生き残りの鍵となります。

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