強いものは売らない

個人的にどのような強気相場であっても完全に買いに傾けることはなく、逆にいかなる暴落相場であっても完全に売りに傾けることはしません。いわゆるロング・ショート戦略です。

トレンドフォロワーにとって自らが乗っかっているトレンドに反するポジションを多少なりとも持つことの効用は沢山あります。中でも最大の効用は、自身の(全体相場に対する)相場観が絶対正しいとの「確証バイアス」に陥ることなく、常に冷静かつ客観的に相場を見られるということです。

新興銘柄をスイングトレードする場合、新興の貸借銘柄は非常に少ないため、ショート側の対象となる銘柄は限られます。そうなると、どうしてもマザーズ指数先物が最も分かりやすい候補になるし、私自身もそれをショートしてロング・ショートを組むのを基本としています。

しかし、ひとつ問題があります。それは、現在のようにアンジェスを筆頭とするバイオ銘柄群に資金が集中する時には、マザーズ指数こそが最強となってしまい、強烈な踏み上げを喰らう可能性があるということです。

2018年11月から2019年1月にかけてはサンバイオが暴騰し、マザーズ指数は正に「サンバイオ指数」と化し、強烈な上昇を示しました。マザーズ指数をショートすることでロング・ショートを組んでいるトレーダーにとっては災難とも言える事態で、鮮明に覚えている人も多いことでしょう。

要するに、マザーズ指数先物はロング・ショートのショート側の対象として便利ではあるものの、時にあたかも仕手株のような動きを見せ大きく踏み上げられる可能性があることには十分な注意が必要ということになります。

そうした災難を避けるため、トレンドフォロワーとしてはやはりシステムを援用し、上方向へのボラティリティブレイクアウトが発生すれば白旗を揚げるようにしています。その際の代替のショート候補としては、選択肢は限られる上に選別自体もなかなか難しいものの「下げトレンドにある個別銘柄」となります。そして、マザーズ指数先物は下方へのボラティリティブレイクアウトが確認できるまで封印、ということになります。

強いものしか買わず、弱いものしか売らない。トレンドフォロワーはそれを徹底するのみなのです。

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