トレーダーのイメージと実態

先日のエントリー「投資家とトレーダー」で書き漏らしたことですが、投資家とトレーダーのイメージについて書きたいと思います。一般的には、前者は真面目な努力家、後者は大した努力もせず狡賢く儲けるギャンブラーというイメージがあるのではないでしょうか? この傾向は相場のことを全く知らない人ほど顕著で、もっと言えば、投資は高尚だがトレードは卑俗と正反対に認識していることさえ珍しくないと感じます。

実際のところはどうかと言えば、確かにデイトレーダー、とりわけ数秒単位で反対売買することすら珍しくないスキャルパーについては、ファンダメンタルズの理解など全く無いまま、単に値動きだけを追いかけることで利益を稼ぎ出すことは可能であり、少なくとも知的な努力というものは大してしていないケースはあると思います。もっとも、だからと言ってスキャルパーが楽をしているのかと言えば決してそんなことはありません。スキャルピングで継続的にそれなりの利益を出し続けるには、場が開いている間ずっと、相当な集中力と精神力が必要となります。要するに、肉体的・精神的「作業」という部分が濃厚にあるわけで、実はスキャルパーは、「楽」に稼いでいるとのイメージからは程遠い存在であったりします。

更に言えば、有能なスキャルパーは、今日どこのセクターや銘柄に資金の流れが来るのかということを相当しっかりと研究しますし、たまたま触っている銘柄が場中決算で乱高下するリスクなどは避けるべく、決算発表のタイミングなどは当然として、ファンダメンタルズについてもそれなりに目配りはしているものです。そうした努力なしに経験とカンだけで日々トレードをしている人もいることは否定しませんが、そのような怠惰な姿勢では、(たとえば東証のアローヘッド導入等)それなりに大きな変化が起こった際に対応できず、結局マーケットから去ることを余儀なくされてしまいます。

また、スイングトレーダーは、常に「旬」の銘柄を追いかけていきますから、実は投資家以上に勤勉な努力家であることが全く珍しくありません。特に今のような決算発表シーズンなどでは、大量に発表される決算短信や有価証券報告書(四半期報告書)などを寝食を忘れてしっかり読み込んでいることも多いですし、常日頃から世の中のトレンドや流行に相当敏感でいなければ、パフォーマンスを向上させられません。

大した努力もせず儲けられるという意味での「ほったらかし」とか「楽に」とか「たった数分で」といったキーワードは、相場未経験者の心を強く惹き付けます。しかし、相場に限らず、そんな甘い話は極めて非現実的です。投資でなくトレードならそれが可能かと思ったなら認識不足の一言ですし、トレードでそれなりの結果を残したいのであれば、人一倍の努力が当然必要になるのです。

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